Photograph & Story って、楽しい。

2021/03/31

エッセイ ストーリー



  写真と文章の違いって、なんだろう。


 一言で言っちゃえば、どっちもその時感じたことを移している。心の中なのか、頭の中なのか分かんないけど、僕の中に現れたその感情は、僕の中にあるだけじゃ、誰とも共有できない。だから、その感情を画像として見える場所に移すのか、または、文章として読める場所に移すのか。画像として見える場所っていうのは、写真だったり絵画だったり映画だったり。文章として読める場所に移すんだったら、ブログだったり本だったり紙ナプキンだったり。

 つまり。大きな違いはなさそうだ。

 ところで、さっき「誰とも共有できない」って書いたけど、感じたことを移したら、今度はそれを誰かと共有するっていうのは、絶対的な前提なんだろうか。

 いやいや、そんなことはない。自分にとってあまりにも大切で、大切すぎるからこそ、誰とも共有したくない。そんなこともある。とはいえ。やっぱりだいたいは、「自分が感じたこの感じ」を誰かと共有したいって、思うんじゃないかな。

 僕が写真を撮る時は、もちろんそう。emusuke.と散歩に出て、面白いもの見つけてシャッターを切る。その時に考えていることっていうのは、「ねえねえ、みてみて! これ、見てみて! 面白いでしょ」ってこと。なぜって聞かれても、理由はさっぱり分かんないんだけれど、でも、僕達が見つけた面白いものをみんなにも見てほしい。そして、それを見た誰かが何かを感じてくれたら、これも理由はさっぱり分かんないんだけれど、なんだか嬉しい。

 おんなじものを見て、おんなじように感じる。共感する。だから嬉しいのかな。そう考えたこともあったんだけれど、なんだかちょっと違う気もする。



 例えば、僕の写真。僕は、写真を見てストーリーを想い浮かべるのが大好き。気に入った写真が一枚あれば、そこからどこまでも冒険できる。僕の勝手なストーリーを当て嵌めて、どんどん写真の中へ入っていく。気がつけば、そんなの全く写ってないよってところまで入っていっちゃう。どんどんストーリーを広げていって、そんな世界で遊ぶのが、とっても楽しい。

 だからできれば。みんなにも、そんな風に写真で遊んでほしい。気に入った写真が一枚あれば、自分の好き勝手にストーリーを想って、そこに出てきた世界を冒険してほしい。

 でもね。あなたが想ったそのストーリーって、僕のと同じとは限らない。いやいやむしろ。僕とは違う、あなたのストーリーを想ってくれると、僕はとっても嬉しく思う。あなたはあなたの、自分専用のストーリの中で冒険をするのが一番いい。僕は僕で、僕だけのストーリーで好き勝手に遊ぶ。

 写真にはストーリーが潜んでて、でもその正体は、見る人想う人によって全部違う。

 あ。ということは、もしかして。写真なんてただのきっかけで、ストーリーが潜んでいるのは、あなたの中で僕の中。

 そう考えると、みんなのそれぞれのストーリーを解き放つ写真って、なんだか、偉い。

 僕はもっともっと、そんな写真を撮りたいよ。それから。いつかそんなストーリー達を、みんなで紹介し会えたら楽しいと思います。



Photograph & Story : 

 僕達には冒険が必要で、

 僕達には想い込みが必要で、

 僕達にはストーリが必要だ。

-- 加賀美 ケント



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