あの頃のボクは、とっても泣き虫で、すぐにメソメソ泣いていた。
あ。あれ? この感じ……。
今、ちょっとだけ思い出しかけた。
この感じ、なんだっけ。。
なんだっけ。あ、そうだ。子供の頃と今とでは、泣くっていうことの意味が違うような気がする。
子供の頃のボクは、もちろん泣き虫だったんだけど、そもそも泣くのが好きだった。いやいや、違うぞ。泣くのが好きだったんじゃない。泣いた後の、「あの感じ」が好きだったんだ。
目の周りがすこしあつくて、喉の奥がすこししょっぱくて、頭の中には白くてまるくてほわっとしたものがうかんでる。手も足も、体はあるのかないのか分からない。全身がけだるくて、だけどふわっとしている、あの感覚。
嫌なことがあったのか、悲しいことがあったのか。こわかったのか、さみしかったのか。どうして泣いたのかはもう忘れちゃったけど、泣きたかったっていう感情が、どこかに少しだけ、ほんの微かに少しだけ残ってる、あの感じ。
だけど、それそりおっきいのは、泣き止んだよっていうこの現実。もっと泣きたかったような、ちがうよ、早く泣き止みたかったんだ。ほんとの気持ちは、どっちだろう。優しいような優しくないような。どっちつかずの変な気分。
それから……。
ええと。なんだっけ。。
ところで。今のボクは、どうだろう。
泣くことも、泣いた後の余韻も。
おそらくボクは、楽しんでいない。
それどころか、泣くってことに素直じゃない。
素直に泣くっていうのは、簡単そうでそうでもない。
さっき思い出しかけたあの感じ。もう消えちゃったあの感じ。いつかちゃんと思い出せたら、また泣くことを楽しめるように、なるのかなあ。
Photograph & Story :
僕達には冒険が必要で、
僕達には想い込みが必要で、
僕達にはストーリが必要だ。
-- 加賀美 ケント
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